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お で ん 家  へ よ う こ そ !!

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現代のいじめ ~今、大人にできること~4




山脇先生は、解決方法を話しだす前に、
「今から言うことは、実はとっても難しい解決方法かもしれません。
ただの理想論といわれるかもしれません」
と、断った上で、話しだされました。

この『解決』の項目は、この回だけではなく、次回も続きます。
どうぞ最後まで、お付き合いください。



いじめの解決方法として、まず最優先すべきなのは、被害者の保護です。

わが子がいじめを受けていることに気づいたら、
子どもがそう告白してくれたら、
何よりもまず、学校を休ませて下さい。

子ども自身が「行く」と言っても、学校内、登下校中、
子ども自身の身の安全が確保されるまで、とことん休ませて下さい。

そして、家庭内においては、子どもにいじめに関することを聞き出そうとはせず、
常に楽しい気分でいられるよう、好きなことをしてくつろいでいられるよう、
怖いことや辛いことが何も起こらない、治療のための環境作りに努めてください。


子どもは、いじめの傷が癒えたころ、尋ねずとも、自分からポツポツと話し始めます。
その言葉を共感しながらただ聴いていると、またそうして話してくれます。

無理にも話を聞き出そうとはしないでください。

子どもの携帯も、子どもの許可なしには見ないでください。


そして学校へは、子ども本人には無断で勝手に行かないでください。

大人は、正しいと思うことに関しては、子どもの意見を無視しがちです。
けれど、大人のそうした行動は、結果的に、
子どもの信頼を裏切る結果になってしまいます。

学校に尋ねたいこともあるでしょう。
言いたいこともあるでしょう。

そうした親の行動は、必ず子ども自身の本心からの許可が出てからにしてください。


学校には、まず、子どもがいじめを受けていた事実のみを伝えます。
子どもの心身の安全が確保されるまでは、学校には行かないことを伝えます。

時として、学校や、相手の保護者の責任問題を持ち出す保護者がいますが、
これは学校と敵対してしまうことになり、決して有益な結果になりません。

どうしても責任を追及したいと思うのであれば、
それはいじめがすべて解決した後、学校の外、法曹の世界でやって下さい。



学校に対しては、学校全体でいじめをなくす取り組みをすることだけを働きかけてください。
その場合、担任だけではなく、学校のトップにも同席してもらってください。

そのクラスだけ、その学年だけの取り組みでは、いじめは決してなくなりません。
学校全体で取り組んで初めて、いじめをなくす取り組みの効果が現れます。


学校は、本心ではいじめがあったという事実を認めたくない場合もあるでしょう。
いじめの実態を調査するという発言があるかもしれませんが、
いくら時間をかけて調査をしてもいじめの実態は決して把握できません。

被害者と、加害者の言ういじめの事実は、決して一致することはないからです。

調査に無駄な時間を費やすよりは、被害者の言う事実を前提として、
学校全体でいじめをなくす取り組みを始めてください。

もしご理解いただけないような学校であれば、保護者の方は、ご理解いただけるまで、粘って下さい。
その際、決して学校とは敵対しないでください。

いじめを受けて傷ついた子の治療は、いじめを受けた環境で、
安心して楽しく明るく過ごせるようになって初めて完了します。

いじめ環境を避ける意味で転校という選択肢ももちろんありますが、
治療という意味合いでは、前出の方法ほど効果は期待できません。

転校は最後の手段と考えてください。

そして、学校とコミュニケーションをしっかりとり、
いじめをなくす取り組みのために学校を動かすことを優先して下さい。




次回は、いじめをなくす取り組みについてです。







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